VDSL方式のネット回線を使っていて、通信速度の遅さに悩んでいませんか?
本記事では、VDSLとはどのような回線なのか、その特徴や限界をわかりやすく解説し、速度改善の方法から最適な乗り換え先までを詳しく紹介します。
VDSLからの乗り換えは大きな通信品質向上につながる可能性があります。

■ この記事でわかること
VDSL方式とは何か?仕組みと通信速度の限界
なぜVDSLは遅いのか、速度が不安定になる原因
光回線(光配線方式)への具体的な乗り換え手順
VDSL利用者が選ぶべきおすすめの乗り換え先(CATV・ホームルーター)
■ この記事の主張
「VDSLは構造上どうしても速度が遅くなりやすく、今後も改善は見込みにくい」
「通信速度に不満があるなら、光配線方式への乗り換えが最も効果的」
「集合住宅でも条件次第で戸建て型の光回線やホームルーターの導入が可能」
■ 誰に向けた記事か
マンションなどでVDSL方式を利用しており、通信速度に不満がある方
光回線への切り替えを検討しているが、方法や手間がわからない方
なるべく工事の手間をかけずに快適なネット環境を手に入れたい方
テレワークや動画視聴など、安定した通信が必要なライフスタイルを送る方
VDSLとは?光配線との違いと通信速度の限界

- VDSLは電話線を利用する集合住宅向けの配線方式
- 最大速度は100Mbpsで光配線方式(1Gbps超)に比べて遅い
- メタル配線はノイズに弱く通信速度が不安定になりやすい
VDSLは電話線を利用する集合住宅向けの配線方式
VDSL(Very high speed Digital Subscriber Line)は、主に集合住宅で利用されている通信方式です。
建物の共用部までは光ファイバーが使われていますが、そこから各部屋までは既存の電話線(メタルケーブル)を利用してインターネット接続を提供します。
新たな配線工事が不要なため、導入コストが安く、マンションなどで広く使われています。
ただし、利用している電話線の状態や長さにより通信品質が大きく左右されます。
最大速度は100Mbpsで光配線方式(1Gbps超)に比べて遅い
VDSL方式の最大速度は理論上、下り100Mbpsが最大とされています。
一方、光配線(光ファイバーを部屋まで直接引き込む方式)では、1Gbps以上の速度が出ることが一般的です。
動画視聴やオンラインゲーム、大容量ファイルのダウンロードなどを快適に行うには、VDSLの速度では限界があります。
特に複数人が同時にネットを利用すると、VDSLでは遅延が顕著に感じられることがあります。
メタル配線はノイズに弱く通信速度が不安定になりやすい
VDSLは屋内配線にメタル(銅線)を使うため、電波干渉やノイズの影響を受けやすい特徴があります。
古いマンションでは、配線の劣化や接続不良により速度が安定しないケースが多く見られます。
また、長距離になるほど通信速度が落ちやすく、部屋の位置や階数によっても違いが出ます。
結果として、「夜になると遅い」「動画が止まる」などのストレスを感じる原因になります。
光回線(光配線方式)への乗り換えで通信速度を改善

- 光ファイバー導入で最大1Gbps超の高速通信を実現
- マンションでは管理会社・オーナーの工事許可が必須
- 工事内容は光ケーブル敷設・光コンセント設置・ONU接続など
- 戸建てタイプの光回線を個別で契約する方法もある
光ファイバー導入で最大1Gbps超の高速通信を実現
光配線方式では、共用部から各戸まですべて光ファイバーで接続されます。
これにより、最大1Gbps(上り・下り)の高速通信が可能になり、速度低下の心配もほとんどありません。
テレワーク、動画配信サービス、オンラインゲームなどあらゆる用途で快適に使えます。
将来的な10Gbps回線への対応も視野に入れることができ、今後のネット環境にも適応できます。
マンションでは管理会社・オーナーの工事許可が必須
集合住宅に光配線を導入する場合は、建物の共用部分に工事を行う必要があります。
そのため、管理会社やオーナーの事前許可が必要です。
場合によっては、すでに導入可能な光回線があるかどうか、事前に確認することが重要です。
各社のホームページで郵便番号を入力すれば、対応状況を簡単に調べることができます。
工事内容は光ケーブル敷設・光コンセント設置・ONU接続など
光配線への変更工事では、共用部から自室まで光ファイバーを引き込み、光コンセントを設置します。
その後、ONU(光回線終端装置)とルーターを接続して利用開始となります。
戸建てと違い、集合住宅では共用部分の設備も整備されることがあります。
工事は1〜2時間ほどで完了することが多く、特別な準備は不要です。
戸建てタイプの光回線を個別で契約する方法もある
マンションに住んでいても、条件が合えば「戸建てタイプの光回線」を個別に契約できる場合があります。
これは、建物全体の設備がVDSLでも、自室まで直接光ファイバーを引き込むという方法です。
一般的には管理会社や大家さんの許可が必要ですが、光配線方式の高速通信を手に入れる手段として注目されています。
他の住人の影響を受けにくく、常に安定したスピードが期待できます。
もちろん、工事が必要になり、時間や費用がかかる場合もありますが、その分のメリットは大きく、
ストレスのないネット環境を手に入れたい人には非常におすすめです。
光回線(光配線方式)への変更工事が難しい場合の代替案

- J:COM NET(ケーブルテレビ回線)で既設同軸ケーブルを利用し最大1Gbps
- auひかりマンションタイプG(G.fast)でメタル配線のまま最大664Mbps
- 5Gホームルーター(ドコモhome 5G、WiMAX+5Gなど)なら工事不要で利用可能
J:COM NET(ケーブルテレビ回線)で既設同軸ケーブルを利用し最大1Gbps
J:COM NETでは、すでに建物内に敷設されている同軸ケーブル(テレビ用)を活用して、ネット接続が可能です。
最新の設備であれば、最大1Gbpsの高速通信にも対応しており、光回線に近い通信品質が得られます。
また、地上波・BS・CS放送とのセット契約もでき、月額料金をまとめられるメリットもあります。
集合住宅で光工事が難しい場合に、有力な選択肢の一つです。
auひかりマンションタイプG(G.fast)でメタル配線のまま最大664Mbps
auひかりのマンションタイプGでは、既存の電話線(メタル線)を使いながらも最大664Mbpsという高速通信を実現できます。
これはG.fastという新しい通信技術によって可能になっています。
建物側の設備が対応していれば、VDSLよりもはるかに高速で、安定した通信が可能です。
工事不要で切り替えられる点も大きなメリットです。
5Gホームルーター(ドコモhome 5G、WiMAX+5Gなど)なら工事不要で利用可能
光工事が不要な通信手段として、5G対応のホームルーターも人気を集めています。
ドコモのhome 5GやWiMAX+5Gなどは、端末をコンセントに挿すだけですぐに使えます。
通信速度もエリアによっては数百Mbps以上と、VDSLを大きく上回ります。
ただし、建物の構造や位置によっては電波が不安定になる可能性もあるため、無料お試し期間など活用してチェックしましょう。
WiMAX+5G
WiMAX+5Gは、UQコミュニケーションズが提供する高速通信サービスで、2021年から提供が始まった新しい通信規格です。
auの5GとWiAMXの高速通信が魅力で、エリアによってはVDSL超えるスピードを実現します。
さらに、プロバイダーによっては月額3,000円台から利用でき、コストパフォーマンスにも優れています。
コンセントに差すだけで使えるため、機械が苦手な人でも簡単に設置できます。
ドコモhome 5G
ドコモhome 5Gは、NTTドコモが提供するホームルーターサービスで、ドコモの5Gエリアを活用した安定した通信が可能です。
5Gの高速通信で、VDSLのボトルネックを一気に解消できます。
また、ドコモのスマホを利用している人は、「home 5Gセット割」が適用され、スマホの月額料金が割引されるメリットもあります。
さらに、設置も簡単で、ルーターをコンセントに差し込むだけでOK。工事不要で即日ネット環境が整うのが魅力です。
ソフトバンクエアー
ソフトバンクエアーは、ソフトバンクが提供するホームルーターサービスで、5Gにも対応した最新の「Airターミナル5」が利用可能です。
5Gの高速な通信速度を誇り、動画視聴やオンライン会議もストレスなく利用できます。
また、SoftBankやワイモバイルのスマホとセットで割引が受けられるため、月額料金を安く抑えられるのもポイントです。
ただし、エリアによって速度や接続の安定性に差が出ることがあるため、事前に対応エリアを確認することが重要です。
VDSL回線のままで試せる速度改善方法

VDSL環境のままでも、ある程度の速度改善が可能な対策があります。
すぐに実行できるものから順に紹介します。
- 高性能ルーターに交換して通信品質を向上
- LANケーブル直結でWi-Fi干渉を排除し安定化
- IPv6(IPoE)対応プロバイダに変更し混雑を回避
- モジュラーケーブルを短くしDNS設定を見直す
高性能ルーターに交換して通信品質を向上
まず検討したいのは、Wi-Fiルーターのグレードアップです。
古いルーターは通信処理能力が低く、速度低下の原因になることがあります。
最新のWi-Fi6対応ルーターに交換することで、複数端末の同時接続でも快適な通信が可能になります。
また、ルーターの設置場所も重要で、なるべく部屋の中央で障害物の少ない場所に置くと良いです。
LANケーブル直結でWi-Fi干渉を排除し安定化
Wi-Fiでは、電子レンジやBluetooth機器などの電波干渉で通信が不安定になることがあります。
そのため、可能であればPCやゲーム機などはLANケーブルで直接接続するのがおすすめです。
有線接続にすることで、通信速度が安定しやすく、タイムラグも減ります。
LANケーブルはカテゴリ6以上のものを選ぶと高速通信に対応できます。
IPv6(IPoE)対応プロバイダに変更し混雑を回避
プロバイダの種類によっても速度に差が出ます。
従来のIPv4接続(PPPoE方式)は、利用者が多い夜間に混雑しやすい傾向があります。
一方で、IPv6(IPoE方式)なら混雑を避けやすく、より快適にインターネットを利用できます。
VDSLでもIPv6に対応しているプロバイダを選ぶことで、通信の改善が期待できます。
モジュラーケーブルを短くしDNS設定を見直す
壁のモジュラージャックからモデムまでの電話線(モジュラーケーブル)を短くするのも有効です。
長すぎるケーブルは信号減衰やノイズの原因になりやすいからです。
また、DNS(ドメインネームサーバー)の設定をGoogle Public DNS(8.8.8.8など)に変更すると、名前解決の速度が向上することがあります。
これらの小さな工夫が通信速度を左右することも少なくありません。
(まとめ) VDSL方式マンションのネット回線乗り換え先
VDSL方式のネット回線は、設備の古さや通信速度の限界から、快適なネット利用には不向きになりつつあります。
速度や安定性を求めるなら、光回線(光配線方式)への乗り換えが最もおすすめです。
工事が難しい場合でも、ケーブルテレビ回線や5Gホームルーターなど、有力な代替手段がいくつも存在します。

自分の住まいに合った最適な方法を選び、ストレスのないネット環境を手に入れましょう。

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